ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「カモミールティーの蒸気は、鼻づまりにも効くみたいよ」
「よぅし、いっぱい吸い込もう」

 ガクくんはカップに鼻を近づけて、思いきり息を吸い込んでいる。ひとつひとつのしぐさが、本当にかわいいな。

 そういえば、マスターから郵便物を預かっていたけれど……明日以降、ガクくんの体調を見て渡そうかな。いまは体調の回復が最優先よね。

「あ、少し鼻が通った!」
「それなら、いまのうちに寝たほうがいいんじゃない?」
「でもカップとか洗わなくちゃ……」
「もう。病人は大人しくしてちょうだい」
 
 ベッドから出ようとしたガクくんから、ティーカップを奪い取った。

「片付けは私がしておくから。また鼻が詰まったら、眠れなくなるでしょ?」
「はぁ~い。おやすみなさ~い」
「うん。おやすみなさい」

 ガクくんが目を閉じたのを確認して、エアコンと空気清浄機の設定を点検する。そうだ、ユーカリのアロマを焚こうかな。鼻づまりにいいらしいし。

 アロマディフューザーにオイルを垂らしてセットしていると、寝息が聞こえてきた。よかった、すぐに寝ついてくれて。

 なんだか幸せな気分。ガクくんの体調は心配だけど、こうやってそばにいて看病できるのが、すごく嬉しい。料理を作ってくれたり部屋を掃除してくれたりしているとき、ガクくんもこんな気持ちなのかな。
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