ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 そうだ。元気そうだし、マスターから預かっていた郵便物を渡しておこうかな。あまり遅くなってもいけないだろうから。

 食事を終えてハーブティーを淹れたあと、書斎から茶封筒を持ってきて、ガクくんに手渡した。

「なんですか、これ?」
「ガクくん宛の郵便物。ご実家のお父様が、マスターに送ってきたそうよ。あなたに直接渡しても素直に受け取らないかもしれないからって、私が預かっていたの」
「あ……そうなんですね」

 一瞬、ガクくんの表情が曇る。そして無造作に封筒の中身を取り出した。

「あ~、送り先を変更しておかなきゃなぁ……」
「そっか。ガクくん、住民票もご実家のままなのよね」
「そうですねぇ……このまま彩女さんと一緒に住むわけだし、手続きしておこうかな。風邪が治ったら、役所に行ってきます。いろいろ住所変更しなくちゃ」

 そういえば恋人になったわけだし……一時的な同居じゃなくて、同棲なのよね。これからも、ガクくんと一緒に暮らせるんだ。そう思うと口元が緩んでしまう。

「えっとーこれは銀行のDMだからいらなくてー……」

 テーブルの上に広げた郵便物を、ひとつずつ確認するガクくん。ハーブティーを飲みながらその様子を眺めていると、1通のハガキに目が留まった。
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