ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「私も……もっと一緒にいたいと思ったよ」

 右手に、柔らかい感触を感じる。愛おしくてたまらない、ふわふわのダークブロンド。パーマではなくてクセ毛だと言っていたけれど、ずっとこの髪型でいてほしい、なんて思ってしまう。

「お酒が入っていたからとか、プロジェクトが終わって気分が高揚していたからとか、7歳も上だしとか……いろいろと逃げ道を考えてみたけど、やっぱりどうあがいても、ガクくんが好きだって気がついたの」
「あはは、あがいていたんですか?」
「うん。モラルに反するかなって……」

 すると、ガクくんは大きく吹き出した。
 
「モラルって、なんでですかぁ。僕は未成年じゃありませんよ?」
「そ、そうなんだけど。その、付き合っていなくて、体の関係だけなんてって思っていたから……」
「そっか。彩女さんは、そう思っていたんでしたね。もうすれ違いたくないから、これからはちゃんと言葉にしていきます」
「うん。私も、ひとりでウダウダと考えないようにするね」

 顔を見合わせて、お互い頷いた。
 些細なすれ違いを、大きな溝にしないように。自分の頭の中だけであれこれ考えて悩むのは、絶対にやめよう。

 だから気になっていることは、この際ちゃんと訊いておかなくちゃ。
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