ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「ずっと商業デビューを目指していたの?」
「いえ、全然。卒業後は一般企業に就職するって、ぼんやり考えていました」
コンテストに応募したのもボタンをポチッと押すだけだったからと、ガクくんが笑う。こんなふうに無欲だから、いい作品が書けているのかもしれない。
「ただ、家族とは表面上うまくやっていたものの、モヤモヤしたものはずっと抱えたままで。商業デビューすることになって書き続けていきたい気持ちが強くなったんですけど、父親と進路の話をしたとき、いままでのモヤモヤが爆発しちゃって」
「お母様は、なんて?」
「なにも。自分の子じゃないから、いろいろ思っていても言いづらいんだと思います。だけど、僕は……」
そこまで言うと、ガクくんは下唇を軽く噛んだ。
寂しがり屋で甘えん坊なんだもの。血のつながりに関係なく、母親に対する思慕の念はあるのだと思う。
褒められたり、叱られたり、心配されたり。双子のきょうだいには向けられているであろう親心を、ガクくん自身は感じられていない。
「父に反対されるし、母はなにも言ってくれない。いったん逃げたくなって、コンテストの賞金と印税を使って海外を放浪したんです。それでいまに至っています」
ガクくんの表情が、また寂しそうになってしまった。
「いえ、全然。卒業後は一般企業に就職するって、ぼんやり考えていました」
コンテストに応募したのもボタンをポチッと押すだけだったからと、ガクくんが笑う。こんなふうに無欲だから、いい作品が書けているのかもしれない。
「ただ、家族とは表面上うまくやっていたものの、モヤモヤしたものはずっと抱えたままで。商業デビューすることになって書き続けていきたい気持ちが強くなったんですけど、父親と進路の話をしたとき、いままでのモヤモヤが爆発しちゃって」
「お母様は、なんて?」
「なにも。自分の子じゃないから、いろいろ思っていても言いづらいんだと思います。だけど、僕は……」
そこまで言うと、ガクくんは下唇を軽く噛んだ。
寂しがり屋で甘えん坊なんだもの。血のつながりに関係なく、母親に対する思慕の念はあるのだと思う。
褒められたり、叱られたり、心配されたり。双子のきょうだいには向けられているであろう親心を、ガクくん自身は感じられていない。
「父に反対されるし、母はなにも言ってくれない。いったん逃げたくなって、コンテストの賞金と印税を使って海外を放浪したんです。それでいまに至っています」
ガクくんの表情が、また寂しそうになってしまった。