ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「そう。歳はいくつなの?」
「……23歳、かな」
「えー、若いじゃないの!」

 やっぱり、母は嬉しそう。そして父の表情は変わらない。予想通りだわ。きっと、信頼と心配が心の中で錯綜しているんだろうな。

「武内雅空くんっていうんだけど。若いのに、しっかりしているの。無駄遣いはしないし、節約上手だし。お互いにやりたいことが明確で、そのために足りない部分を補い合っている感じ。彼に経済力はないけど、それは私が補えるでしょ。逆に私は家事力が皆無だから、彼が全部担ってくれている。精神面でも生活面でも、お互い欠かせない存在というか……」

 あ、少し喋り過ぎたかもしれない。言いながら、なんだか恥ずかしくなってきた。
 だけど年齢や肩書きだけで判断してほしくないから。ガクくんのよさを、ちゃんと理解してもらいたい。私には、もったいないくらいの人なんだもの。

「あはは、ずいぶん必死じゃない」

 母が吹き出した。

「だ、だって。変に誤解されたくないんだもん。すごく温かくて、器が大きい人なんだよ」
「大丈夫よ、別に反対なんてしないから。彩女が選んだ人なら、大丈夫でしょ」
「まぁ、彩女が信頼できると思うのなら、いいんじゃないのか」

 それまで黙っていた父が、口を開く。硬かった表情は、少し和らいでいるように見えた。
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