ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「だから、酔った女性を」
「その前よ」
「あぁ、僕は童貞ですよ」
「……ウソでしょう?」
「ウソじゃないですよ。童貞って、つまり自分の男性器を女性器に挿入したことがない男のことですよね?」
「み、身も蓋もない言い方をすれば、そうね」
「だから、童貞です」
「じゃあどうして、あんなに」

 そこまで言って口をつぐむ。するとガクくんの表情が、また変わった。

「気持ちよかったんですか? 僕の愛撫」

 昨晩見たような、妖しい笑顔。あの感覚が蘇ってきて、体の奥が疼く。
 感じる場所をピンポイントで刺激されて、指も舌も両方使って……あんなの絶対、初めての人の動きじゃない。

「あ、あ、あれで初めてとか言われても……かなり手慣れていたでしょう」
「前に付き合っていた彼女が、セックス……というか、挿入が嫌いだったんですよ。だから、その子と付き合っていた4年間、愛撫だけだったんですよね」

 4年間も? それっていつの話なのかしら。最近のこと? きっとそうよね。だって、彼はまだ23歳だし。

「あ、信じていないでしょ?」
「そ、そういうわけじゃ」
「まぁ、いいですけど。友だちにも言われますしね。絶対、ほかの女とヤッただろって。なんでみんな、そう思うんですかね。セックスできなかったら浮気するんですか? 浮気って、大嫌いなんですけど」

 あ、しまった。機嫌を損ねたみたい。ずっとにこにこしていたのに、ものすごく仏頂面になってしまった。
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