ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 お父様からの連絡がいつくるかは、分からない。
 心配したマスターがコンタクトをとったところ、海外へ長期出張しているとのことだった。

「お義姉さんが言うには、5月までには帰ってくるらしくて」
「そっか……本当に忙しいんだ」

 ガクくんは、少し安堵した様子。
 大丈夫、きっとお父様は話を聴いてくれるはず。作家業に反対しているのも、将来のことを考えているからだと思うし。

 毎日家事をこなしてくれて、MISTEROでの仕事もしっかり務めている。そして、空いた時間は小説の執筆に全力投球。
 こんなに頑張っているのだから、認めてもらえるといいな。

「彩女さん、聞いて聞いて!」

 ある日、帰宅するとガクくんが玄関に飛んできた。出迎えてくれるのは毎日のことだけど、今日はいつにも増して笑顔が輝いている。

「なにか、いいことでもあったの?」
「実はですねぇ……僕の小説を、読書系のインフルエンサーが紹介してくれたんでーす!」

 いつものように私のバッグを受け取りながら、ガクくんはぴょんぴょんと飛び跳ねた。

「え、よかったわね!」
「ぼちぼちフォロワー数が多い人なんですけど、すっごく褒めてくれて。続きが出たらすぐに買う! とまで言ってくれたんですよぉ」

 やっぱり最近は、SNSが強いわね。これで認知度が一気に上がって、売上が伸びそう。
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