ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「その前に、まずは今日の仕事を頑張りましょうね!」
 
 井上さんの明るい声につられて、私は笑顔で頷いた。

 やっぱり、今日は朝からとてもいい感じだわ。きっと……ううん、絶対に、なにか嬉しいことが起こるはず。

 そう信じて仕事に取りかかると、ミーティングや面談といった今日のタスクが、どんどん片付いていった。

 クライアントとの連絡がスムーズで、確認事項も一度で解決。そして、ほとんど残業することなく退社できた。もしかして、これも占い効果なのかしら……なんて。

 まだデパートも開いている時間だから、ガクくんの好きなチョコブラウニーを買って帰ることにした。

 今日は、MISTEROで夕食をいただく予定になっている。ガクくんが新しいフードメニューを出したいらしくて、その試食も兼ねて来てほしいと言われていた。

 なんだかんだで、楽しそうに働いているのよね。最初は、あんなに嫌がっていたくせに。
 あまり長い時間じゃないし、基本的に週末や祝日に入るくらいだから、ちょうどいいんだろうな。

 毎日楽しそうに、いきいきと生活しているいまのガクくんの姿を、お父様が見てくれたらいいのに。

 そんなことを考えながらMISTEROへ向かうと、お店の前に誰かが佇んでいた。
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