ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「あ~、いま元カレたちのこと思い出したでしょ~」

 ガクくんは立ち上がって、隣に座り直した。そして私の手を握って、肩にもたれかかる。

「ダメですよ。過去を振り返るのは禁止です。それより、僕との未来を考えてください」

 相変わらず甘えたがりね。だけどガクくんには、もっと甘えてもらいたい。子どものころに我慢していたぶんまで、思いきり。

「未来かぁ……例えば、どんな?」
「そうですねぇ……彩女さんは起業して、さらに充実した毎日を送って。僕もほそぼそとではあるけど、小説を書き続けていて」
「ふふ、いまとあまり変わらないわね」
「あはは、そうかも。まぁ、未来は不確かですけどね。僕も、いつまで小説を書き続けられるか分からないし」
「確かに、いろいろ思い描いていても、未来がどうなるのかなんて分からないわ。でも……」

 左肩に乗ったガクくんの頭に、自分の頭をこつんとぶつける。

「明日が不確かだからこそ、私はガクくんと一緒にいたいな」

 彼とこういう関係になることだって、まったく想像していなかった。出会ったことも同居をはじめたことも、すべてが想定外だったんだもの。
 明日なにが起こるのかなんて、誰にも分からない。だからこそ、大切な人といつも笑顔でいたいと願うのよね。
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