ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 どんな未来でも、私はガクくんと一緒がいい。この想いだけは揺るぎない。自信を持って、そう言えるの。

「……もー、彩女さん。どこまで僕をギュンギュンさせたら気が済むんですかぁ」

 ガクくんが、さらに体重を預けてきた。

「ギュンギュン?」
「前にも言ったでしょ。キュンを通り越しているんですよ、彩女さんの言動って。いつも真っすぐだから、ドスンと心に届くし」
「ガクくんだって、真っすぐよ」
「それは彩女さんの前だからです。彩女さんが、僕を真っすぐにしてくれるから」

 彼はもともと、素直で真っすぐな性格だと思う。環境のせいで、自分の気持ちを隠す癖がついてしまっただけ。
 もし私と一緒にいることで本来のガクくんが戻ってきているのであれば、こんなに嬉しいことはないわ。

「あのねー、彩女さん。僕、新しい目標ができたんです」
「どんな目標?」
「お父さんに『よく頑張ったな』って言ってもらうこと」
「そっか。それは、相当頑張らないといけないわね」
「はい。ものすごーく、道は険しいです」

 きっとお父様も、本音ではガクくんを認めてあげたいのだと思う。だけど世の中のことをよくご存知だから、厳しい目を向けている。ガクくんもそのことを理解しているから、そういう目標を立てたのね。
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