ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「私、名前にも『女』っていう字が入っているでしょう。両親はきっと、控えめで大人しくて、男性の後ろを歩くような女性に育ってほしかったんだと思います。そういう『女性らしさ』が、分からないわけではないんですけど……私は昔から、そういうタイプじゃなくて」
両親の気持ちを知りながら、私はいつも逆の道を歩んできた。決して反発したかったわけではない。ただ、自分が正しいと信じる方向へ進みたかっただけ。
料理どころか、部屋の片付けすらまともにできない。洋服にアイロンをかければ違うところにシワができるし、ボタンつけをしてもすぐに取れてしまう。
学校では理系文系ともに成績はよかったけれど、家庭科の実技は唯一苦手だった。
そんな私に「女性らしさ」を求められても、応えられるわけがない。一生懸命やっていたけれど、苦手なものは苦手なんだもの。
「だから結婚して家庭に入って夫を支えるなんて発想、昔からなかったんですよ。兄の結婚相手は、まさに両親が理想とする家庭的な女性なんですけどね」
「なかなか難しいですね。親とはいえ別の人間ですし、世代も違うわけですから。価値観の相違は、あって当然だと思います」
「そうですね。だけど、そうやって割り切れないのが、家族なんですよね」
テーブル席から空きグラスを下げてきたガクくんが、ちらりと私に視線を送ったあと、黙って奥のキッチンへ引っ込んでいった。家族の話題は、やっぱり聞きたくないのかな。
両親の気持ちを知りながら、私はいつも逆の道を歩んできた。決して反発したかったわけではない。ただ、自分が正しいと信じる方向へ進みたかっただけ。
料理どころか、部屋の片付けすらまともにできない。洋服にアイロンをかければ違うところにシワができるし、ボタンつけをしてもすぐに取れてしまう。
学校では理系文系ともに成績はよかったけれど、家庭科の実技は唯一苦手だった。
そんな私に「女性らしさ」を求められても、応えられるわけがない。一生懸命やっていたけれど、苦手なものは苦手なんだもの。
「だから結婚して家庭に入って夫を支えるなんて発想、昔からなかったんですよ。兄の結婚相手は、まさに両親が理想とする家庭的な女性なんですけどね」
「なかなか難しいですね。親とはいえ別の人間ですし、世代も違うわけですから。価値観の相違は、あって当然だと思います」
「そうですね。だけど、そうやって割り切れないのが、家族なんですよね」
テーブル席から空きグラスを下げてきたガクくんが、ちらりと私に視線を送ったあと、黙って奥のキッチンへ引っ込んでいった。家族の話題は、やっぱり聞きたくないのかな。