ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「彩女さん。キス、したいです」

 一生懸命堪えているような、切ない表情で言われる。もう胸がキュンキュンしすぎて、どうにかなりそう。

 私が両腕を伸ばすと、それに導かれるように、ガクくんが覆いかぶさってくる。つながったまま抱き合って唇を重ねると、すべてがひとつになって、溶けてしまいそうだった。
 
 それから少しずつ、ガクくんが腰を動かした。そのたびに体が痙攣して、声が漏れてしまう。

 性欲はないほうだと思っていたのに。ガクくんとは、もっと深くつながりたい。彼のいろいろな表情が見たい。いろいろな声が聞きたい。そんな欲求が、どんどん出てくる。

 額に汗を浮かべながら動くガクくん。少しぎこちないけれど一生懸命で、私が気持ちがいいところを的確に突いていた。

 しばらくして、その動きが小さくなる。それから低く呻き声が聞こえたあと、私のほうに倒れ込んできた。

 荒い呼吸が耳元で聞こえる。
 あぁ、すごく幸せ。セックスで、こんなに心が満たされたことってあったかな。

「ごめんなさい……僕、めちゃくちゃ早かったですよね……」

 ガクくんは隣に寝転がると、少し落ち込んだ様子で、両手で顔を覆った。

「想像以上に気持ちよすぎて、我慢できなくて……あぁ~もう、自分がこんなに早漏だとは思っていませんでした」
「そんなことないわよ」

 気持ちいいと感じてくれたのなら、嬉しい。されるがままじゃなくて、私もガクくんを満たしたいから。
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