ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「でも、その前にクリスマスですよね」

 ガクくんが話題を変えた。
 
「イルミネーションでも見に行きますか?」
「ガクくんは、見に行きたいの?」
「行きたいです。彩女さんと一緒に」
 
 一緒にイルミネーションを見に行くなんて、まるでカップルじゃない。
 だけど私も、ガクくんとなら見に行きたい……なんて、柄にもないことを思ってしまう。

 彼と過ごす時間は本当に楽しい。自分と感覚が違うから、新しい発見がたくさんある。それはガクくんも同じみたいで、お互いに新鮮な刺激を受けている感じだった。

「都内のイルミネーションって、結構たくさんあるけど……どこがいいかな」
「彩女さんの職場って、六本木でしょう? それなら、ミッドタウンなんか近いじゃないですか」
「え、平日に行くの?」
「だって僕、今週末は仕事ですもん。ついでに、イブもクリスマス当日も。だから、彩女さんの仕事終わりに見て帰ってくるのがよくないですか?」

 一瞬、会社の誰かに見られたらどうしようと思ってしまった。
 やっぱり私は心のどこかで、彼との関係に後ろめたさを感じているのかな。

 同居してセックスもしているのに、恋人ではない。どういう関係なのかと訊かれても、きっと答えられない。
 世間から見たら、ガクくんはヒモ? 生活費をすべて、私が出しているわけだし。
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