nonsense magic
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あとすこし、とそのひとの手をぎゅっと掴んで、なんとか自分の部屋にまで辿り着く。
まだあまり見慣れない自分の部屋は、最低限の家具が暗闇に包まれているだけど空間で、……自分で言うのも変だけど、あまり生活味が感じられない。
やっとの思いでベッドに寝かせて毛布をかけると、気を失ったように瞳を閉じるから少し怖くなって、思わず口元に手を当てたら、すう、と微かな息遣いが聞こえて、ほっとする。
「(とりあえず眠ってくれた、……よかった)」
それを見届けると、急いでリビングへと戻る。
さっきコンビニで買ったスポーツ飲料と、冷えピタと、氷枕……、あと風邪薬。汗拭くのに、タオルもいるかな。
ひとの看病なんて初めてだからあまり上手には出来ないかもしれないけど、あのひとの風邪が、これ以上悪化しないように。
一式ぜんぶ持って、起こさないように部屋のドアを開けると、すー、という呼吸音が聞こえて、なんとも言えない気持ちになる。
……家にひとがいる感覚、慣れないなあ。