nonsense magic
そんなことをぼうっと考えながら、ベッドの脇に腰を下ろす。
起こさないように、そっとタオルで額の汗を拭いて、冷えピタを貼って、枕を氷枕に替えて……と。
すると、んん、とうざったそうに目元を歪めたら、ゆっくりと開かれた視界に思わず肩が揺れる。
読めない瞳にじっと射抜かれて、しどろもどろ。
「、あの、」
「………」
瞬きもせず真っ直ぐに見つめる彼は、相変わらずこわいくらいに整った顔立ちで、段々と一枚の綺麗な絵画と対面しているような気持ちになってくる。
もう一度呼びかけても反応がないから、寝ぼけてる……?のかな。
「これ、飲めますか?」
熱がある時は、水分を取らないといけないから。
そう付け足して、コップに注いだスポーツ飲料を差し出すと、そのひとはだらんと力が入っていない指先で受け取ろうとするから、あわててコップを押さえる。
こぼれちゃう……、どうしよう。