nonsense magic
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「……ん」
なにかに誘われるように瞼をあける。
だんだんと意識がはっきりとしてくると、頰と腰のあたりに鈍い痛みを感じてゆっくりと顔を上げると、────……
開いた視界に飛び込んでくるのは、まるで人形みたたいに顔の整った……男の、ひと?
「っ、わ、あ……っ?」
「、どーも。おはようございます」
「は、はい……、おはよう、ございます」
昨夜とは違う、ぱっちりと開いた二重の切れ長の瞳。
ぼんやりとした頭が冷めていく過程で、昨日のことを思い出す。
そうだ、わたし昨日……。
「あ、の、熱は……?」
見た感じ、昨日よりは体調がよくなったように見える。
「これ、してくれた?」
冷えピタを指差すそのひとに、ちいさく頷く。
「……勝手に触ってしまってごめんなさい。熱がすごく高かったので、薬と冷えピタを貼りました。体調はどうですか?」
……ほんとうは、病院に連れて行くのが一番よかったと思うのだけど。
「……ん、平気。おかげでだいぶラクになった」
「そうですか…。よかったです、」
口元が緩む。
このひとの風邪が悪化しなくて、少しでも役に立ててよかった。