nonsense magic



そう続けようとして、やめる。
また直感だけど、……このひとは女性にとても慣れていそうで、そんなひとの前で経験値のなさを告白するのは少し恥ずかしい。


「危機感死んでるだけっぽいな」

「……しんでる、」


なんて返していいかわからない……。
それよりも、このひとの纏う雰囲気が昨日よりも少しやわらかい気がするのは、温いお日様に充てられているだけ?


なんとなく俯くと、ずっと手を繋いだままだったことに気づくいた。


「あ……の、手、」

「名前、教えて」

「…なまえ?」


脈絡のないセリフに、きょとんとしてしまう。

そういえば、わたしとこのひと、お互いの名前も知らない。



「綾船こころ、です」

「あやふね、こころ?」


なぞるみたいに繰り返される。

こくんと頷くと、微かに視線を下げる彼。



「こころ、」

「っ、」


「……って漢字?」

「あ、いえ……。ひらがなで、こころです」



びっくりした……。
名前、呼ばれたのかと思った。


呼ばれた瞬間、ドクンって反応した心臓。
じわりと火照る頬が気づかれないように、……あと、カンチガイが恥ずかしくて、視線をななめに向ける。



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