誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
しばらく車が走ると、見覚えのある景色が見えてきた。
ここは・・・お父さんの・・・
「お父さんに報告しないとね」
お供えのお花を買って、お墓の前に着くと、穏やかな空気に包まれた。

「初めまして。富城天真です。ご挨拶が遅くなりました。大切な美来さんを必ず幸せにすると、約束します」
「お父さん・・・私、こんなに素敵な人のお嫁さんになれるの・・・私達を見守ってね」
天真先生は私の肩を抱き、しばらくお墓を見つめていた。
「また、お父さんに会いに来ような」
「はい・・・」
私達はお父さんのお墓に手を合わせた後、車に乗り込み、実家に向かった。

そう言えば・・・天真先生のお母さんも亡くなったって聞いたけど・・・
「先生のお母さんのお墓は、行かなくていいですか?」

先生の表情が険しくなる・・・触れちゃいけなかったのかも・・・
「母さんのお墓は、何処にあるか分からないんだ」
「えっ?どうして?」
「俺が小学生の時、父さんは心臓外科治療を探求するあまり、病院にいる時間が多くなってね。名医と言われ、それに応えるために、ずっと家に帰ることが出来なかったんだ」

静かに話す先生は、ドクターだから富城さんの気持ちがよく分かるはず・・・
使命なんだって、いつも言ってるから・・・

「だから、母さんの病気に気づかなかった。痩せた母さんを心配はしていたけど、『ダイエットしてるから』って、笑って答える言葉を信じていたらしい。気づいた時には、手遅れだった」
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