誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
【天真先生の裏切り】
「お先に失礼します」
「あっ、藤里さん、悪いんだけど、帰る時に薬剤部に立ち寄って、これ渡して来て欲しいの」
「はい、大丈夫です」
「ありがとう。お疲れ様!」
「お疲れ様でした」

結婚式から1週間、まだまだフワフワしている。
天真先生とは、今までと変わらない生活だけど、妻だって思うだけで、ニヤニヤしてしまう。

家で『先生』と呼ばずに『天真さん』って、名前で呼ぼうと練習したけど、混乱する私に、
「もう無理するな。天真先生でいいから」
と、久々に呆れた顔であしらわれた。

愛する人を名前で呼ぶことに、ずっと憧れてたのに・・・
落ち込んでいると、
「ほんと、そういうところ可愛すぎて、ズルいんだよ」
先生は優しく抱きしめてくれた。
「だって・・・2人の時は、特別な存在でいたいのに・・・」
「特別な存在だって、いつも証明してるだろ?」
先生の証明は、結婚してから更に、情熱的で蕩ける。

幸せな毎日を思い出しながら、結婚式で披露してくれた雄基君のピアノ演奏が脳内に流れる中、階段を降りようとした時、人影がない所で、話し声が聞こえて来た。
そっと見ると、あれは・・・

天真先生と、確か、若手のホープって言われている消化器外科で女医の大川ドクターだ。
大川先生は、凄く深刻な顔をして、涙を流している。
私は2人に見えないように、聞き耳を立てた。
今度は松木さんの時みたいなことは、無いだろうけど・・・
やっぱり、気になる・・・
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