推しにおされて、すすむ恋
「……ぷっ。なによ、それ」


目じりに指を添えながら、お姉ちゃんが吹き出す。やっと笑みを見せたお姉ちゃんに、ヤタカの口角もゆるりと上がる。


「だから、お前はお前の好きな事をしろ。やりたい道があるなら迷わず進め。もし分からないことがあったら、俺も一緒に勉強する。Neo‐Flashの動画をもっと目立たせるために、俺も頑張るわ。
だからお前も頑張れよ、ステラ！」
「ヤタカ……っ」


瞬間、お姉ちゃんの両目から、こらえ切れない涙が落ちていく。ハンカチを渡そうとお姉ちゃんに近づくと、玲くんに阻止された。


「このまま見てて」
「でもお姉ちゃんが泣いて、」

「いいから」
「？」


理解できないでいると、ヤタカさんがステラに近づく。そして破顔しながら、優しい力で抱きしめた。


「やれるだけやってこい。でも弱音を吐きたい時は、遠慮なく俺たちを頼れ。そん時は、一緒に動画撮影して気分転換しようぜ。
お前の妹と一緒に待ってるからな！」
「うん、ありがとうッ」

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