推しにおされて、すすむ恋

「合宿が終わった時、寂しかったの。もう皆と集まることもないし、撮影することもないんだって思って」


思い返すと、企画を考えるのは楽しかった。ちょっとしたハプニングはあったけど、それを乗り越えると皆との団結力が高まった気がして、達成感が得られた。


「それに〝動画を面白くするために〟とか〝ここで発言するといいかも〟とか、そういう事を考えるのも楽しかった。撮影の時に上手く発言できたら嬉しかったし!

きっと、私のやりがいに繋がっていたんだと思う」


だから「次がない現実」に寂しくなった。
もっと頑張りたいって思ったの。


「許されるなら、Neo‐Flashの皆と頑張りたい。全国の皆に、もっともっとNeo‐Flashを知ってほしいから。私も役に立ちたいって……おこがましいけど、そう思ったの」


両手に握りこぶしを作った私を見て。玲くんは「そっか」と頷いた。


「ごめん、玲くんは私が入ることに反対だったのに」
「反対じゃないよ。俺が、ゆのを大切に思ってるだけ」
「う、うん……っ」


玲くんのストレートな言葉に、ドキドキしちゃう。

だって玲くん、両想いって分かった途端、急に甘い言葉が増えて……。ずっとロマンチックなセリフを聞いてる気分だよ!

頭も心臓も、パンクしちゃう……!
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