推しにおされて、すすむ恋
反対に、じっとしていられない私は、お姉ちゃんと一緒に走り出した。
でも、まるで私たちをあざ笑うように飛行する紙。そんな高い位置にはないけど、なかなか取れない!
だけど、一瞬だけ風がおさまった瞬間。
パシッと。
高くジャンプした玲くんが、紙をキャッチした。
「れ、玲くん!」
「ありがとう、ノア~!」
歓喜に湧いたみんなが、彼に駆け寄る間。
玲くんは、一番近くにいた私に、こっそり耳打ちする。
「言ったでしょ?
ゆのは俺が守るって」
「!」
その言葉に、私は顔から手足から、ぜーんぶ赤く染まっちゃって。
それを見て全てを察したヤタカさんとリムチ―が「えぇ⁉」と。驚愕の声を、雲一つない空へ響かせた。
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