空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「ペンダントは手が滑っちゃっただけよ。まさか、海に落ちるなんて――」
「あれは、海花さんにとって大切なものだった」
彼の声は低く、静かだった。
麗波は言葉を遮られたことにむっとするが、凌守さんは彼女の仕業だと疑わずに彼女を睨む。
「恋人を奪ったのだって、お前じゃないのか?」
「なにそれ、言いがかりじゃない。あなた、海花に洗脳されてるのよ」
しかし凌守さんは表情を変えなかった。そのあまりの剣幕に、私まで息を呑む。
「誰かの大切なものを落とすなんて、お前は海をなんだと思っているんだ」
凌守さんの勢いに圧倒されたのか、麗波は嫌そうな顔をしたまま黙ってしまった。
だけどそれは一瞬で、すぐに自信に満ちた笑みを浮かべる。
「あなた、私にそんなことを言っていいと思ってるの? 私は、日本を代表する造船会社、――今は御船伊重工グループの、社長令嬢なのよ?」
「誰だろうと関係ない。俺は海上保安官として、あなたのような卑劣な人間を、見過ごすわけにはいかない」
「あれは、海花さんにとって大切なものだった」
彼の声は低く、静かだった。
麗波は言葉を遮られたことにむっとするが、凌守さんは彼女の仕業だと疑わずに彼女を睨む。
「恋人を奪ったのだって、お前じゃないのか?」
「なにそれ、言いがかりじゃない。あなた、海花に洗脳されてるのよ」
しかし凌守さんは表情を変えなかった。そのあまりの剣幕に、私まで息を呑む。
「誰かの大切なものを落とすなんて、お前は海をなんだと思っているんだ」
凌守さんの勢いに圧倒されたのか、麗波は嫌そうな顔をしたまま黙ってしまった。
だけどそれは一瞬で、すぐに自信に満ちた笑みを浮かべる。
「あなた、私にそんなことを言っていいと思ってるの? 私は、日本を代表する造船会社、――今は御船伊重工グループの、社長令嬢なのよ?」
「誰だろうと関係ない。俺は海上保安官として、あなたのような卑劣な人間を、見過ごすわけにはいかない」