空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「凌守さんは、優しい海上保安官さんですね」
出てきたのは、そんな言葉だった。
「いつも私に寄り添って、助けてくれる。本当に、私のヒーローです」
溺れた時から、ずっとそうだ。
再会したときは、入水自殺と間違えて止めてくれた。桟橋の上で動けなくなったときは、陸まで運んでくれた。穏やかな海を、思い出させてくれた。船に乗せてくれようとした。麗波を、怒ってくれた。そして、父の冤罪を突き止めてくれた――。
「凌守さんは、私の憧れです」
言いながら、ドキドキする。
でも、彼は〝憧れ〟。それでいい。
満たされた気持ちでそう言ったのに、凌守さんはなぜか顔を曇らせた。私の頬に置いていた手を、私の手をすり抜けるように離す。
私なんかが憧れだなんて、おこがましかっただろうか。
そう、思っていると。
「俺があなたを助けるのは、海上保安官だからでもありますが、それだけじゃありません」
彼は真剣な顔をして、私をじっと見つめていた。
出てきたのは、そんな言葉だった。
「いつも私に寄り添って、助けてくれる。本当に、私のヒーローです」
溺れた時から、ずっとそうだ。
再会したときは、入水自殺と間違えて止めてくれた。桟橋の上で動けなくなったときは、陸まで運んでくれた。穏やかな海を、思い出させてくれた。船に乗せてくれようとした。麗波を、怒ってくれた。そして、父の冤罪を突き止めてくれた――。
「凌守さんは、私の憧れです」
言いながら、ドキドキする。
でも、彼は〝憧れ〟。それでいい。
満たされた気持ちでそう言ったのに、凌守さんはなぜか顔を曇らせた。私の頬に置いていた手を、私の手をすり抜けるように離す。
私なんかが憧れだなんて、おこがましかっただろうか。
そう、思っていると。
「俺があなたを助けるのは、海上保安官だからでもありますが、それだけじゃありません」
彼は真剣な顔をして、私をじっと見つめていた。