空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 まずい!

「大きく息を吸え! 水が来る」

 凌守はその場で叫ぶと、慌ててマスクを顔に装着した。

 おそらく、一階の窓が外の水圧に耐えられずに、破裂したのだろう。そうなれば、既に水の中に潜っているこの場所は一気に水が来る。

 案の定、凌守の開け放した扉からはすぐに水が押し寄せた。冷たい海水が、急激に室内に流れ込む。体が流れそうになるのを、凌守は踏ん張って堪えた。

 ぐぶ、がば、ごぼ。
 色々な音が聞こえる中、凌守は冷静に辺りを見回した。
 与流は水面へ向かってもがいていたが、他の二人は水圧に押されるまま壁際に押し流されていた。
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