空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「平気です! 仕事でもヒールは履き慣れているので、長時間歩いてもへっちゃらです!」

 慌ててそう言うと、彼は苦笑いを浮かべた。

「すみません。次回からは先に何をするかをお伝えしますね。もし疲れたら、すぐに言ってください」
「はい」

 笑顔で答えると、彼も優しく微笑む。

 これは、私の『海への苦手意識を克服するため』のお出かけだ。次に彼と出かける時は、動きやすい服装にしよう。
 そう胸の中で誓いながら、彼に続いて私もゆっくりと歩き出した。
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