この想いが、キミに届きますように。
そこまで言うと、少しだけ申し訳なさそうに眉を下げて「迷惑じゃなかった?」と私にたずねた。
慌ててぶんぶんと首を横に振る私。
その反応にどこか安心した様子で、ほっと一息つく彼。
「そっか……、よかった」
「……すごく、助かりました。ありがとう……」
「!……うん」
彼は静かに頷くと、ふいにベンチから立ち上がった。
そして、こちらに向き直ると、穏やかな笑みを浮かべて口にする。
「よかったら途中まで一緒に帰らない?」
「えっ?」
「あ!もちろん、田宮さんが良ければ、だけど……」
遠慮がちに聞かれた言葉に、私は少しの迷いの末にコクリと頷いて「帰りたい、です」と返事を返した。