この想いが、キミに届きますように。
その返しに、ぱあっと花が咲いたような笑顔を浮かべる彼。
「うん!帰ろ!」と改めて告げられた言葉に、ほんの少しだけ胸をドキドキさせながら、私もそろりと立ち上がって彼の隣に並んだ。
……あ、どうしよう……。
こういうときって何話したらいいんだろう……。何話すのが正解?
イヤではないからOKしたものの、いざ一緒にとなると何を話したらいいのかわからなくなる。
普段ひとりで帰ることが多いから余計に……。
……どう、しよう。
やっぱり、断ったほうがよかった、のかな……。
「……あ、そうだ。ねぇ、田宮さんってクッキー好き?」
「へ……?クッキー?」
唐突に投げかけられた質問に軽く動揺していると、再度「好き?」と私に問いかける。
「う、うん。すき……」
ぎこちなくそう答えると、彼は徐に鞄の中に手を突っ込んで、それから「じゃあ、はい!」と鞄から取り出したものを差し出した。