この想いが、キミに届きますように。
その仕草がなんだかすごく可愛く見えて、私の胸がトクン、とちいさく音を立てた。
それは普段感じるザワザワとした胸騒ぎなんかじゃなくて、胸の奥がじんわりと温かくなるような、そんな優しい音だった。
初めて聴く音……。
だけど、この胸の温かさは何度か感じたことがあるような気がする。
「放課後のご褒美、楽しみだね」
ふいにかけられた声にハッとして隣を見る。いつの間にか内に意識が向いてしまっていたらしい。
『楽しみだね』と言った彼の表情は、本当に楽しそうで私まで笑顔になってしまう。
「うん、すごく楽しみ……」
控えめに微笑みながら静かに頷くと、彼は踵を返して「戻ろっか」と顔だけこちらに向けて優しい笑みを浮かべていた。
それにもう一度ちいさく頷いて、私は彼のあとを追うように教室までの道のりをゆっくりと歩いたのだった。
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