桐田家のヒミツゴト(旧:合法浮気)



「疲れたうえに慣れない環境だからね。今日はのんびりしてね」

「ありがとうございます」

「じゃ、俺は管理棟の方に行ってるから。部屋の片付けも終わってないだろうし。その辺散歩しても休んでもいいから」

「あ、彩里さん!あとでカフェの方に顔だしてね~」

「ばばーい」


バタバタと朝が過ぎていき、智夜さんに続いて、茉昼さん、柊くんも家を出ていくから。ポツンと家に取り残されると同時にどっと疲れが出る。



私達が住む家は、キャンプ場受付の後ろに建っていて。ログハウス調の3LDKの平屋にはしごタイプのロフトがついているものだった。

皆で朝食を食べたオープンキッチンのあるリビングと、智夜さんの部屋と私のダンボール(荷物)が置いてある部屋。そして、寝室……。
智夜さんとは、表面上の寝室はダブルベッドで一緒なのだけど。智夜さんは違うところで寝るらしい。

最近は柊くんが泣いてしまうそうで、一緒に眠っているとの事だ。まぁ、その方が私にも都合がいいのだけど。




結婚式はどうだったのか、新居はどうだとか友達や母親からの連絡がきたけど、返事をする気にはなれなかった。
ダンボールを空けて荷物を出しては目を閉じる。


ぼんやりと半日を過ごしてお昼を回った頃。
茉昼さんも言ってたしカフェの方にも行ってみようかな、なんて重い体を起こした。


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