人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
 地の文がくどすぎるか……、
 メモに向かってため息をついた。
『誰かにくどくどと説明しているような感じがするし、言い訳をしているような箇所もある』と書いてあった。
 それだけではなかった。
〈随所に『しかし』や『そして』が出てきて閉口する〉とも書いてあった。
 付箋紙が貼ってあるところを何か所か読み返すと、確かに『しかし』や『そして』が頻繁に使われていた。
 中には、一つの会話文に『しかし』が三度使われているところもあった。
 その個所を見ながら首を振った。
 こんなに使ったつもりはなかったが、癖なのだろうか、無意識に使っているようだ。
 今までまったく気がつかなかった。
 
 黄色いメモに視線を戻すと、『「しかし」を他の言葉に言い換えてください』と書かれていた。
『だが』『それでも』『けれど』『ところが』『にもかかわらず』などが例として挙げられていた。
 それから、〈『そして』は極力使わないように〉とも書いてあった。
 さっきとは違うページを読み返してみると、確かに『そして』が多く使われていた。
 原稿1枚に8つの『そして』が鎮座ましましていた。
 これも癖なのだろうと思うと、暗い息が漏れた。


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