御曹司たちの溺愛レベル上昇中
意味が分かっていないのか、雪さんは首を傾げ……
「そうだ雪兄!いけいけ雪兄!」
そんな雪さんを拳を上げ応援し始めた颯くんに、響くんは嫌な顔をした。
「うるさいな。いいよもう、僕が勝手に琉衣さん持っていきますから」
──持っていくとは……
でもまたこの流れが続くのはちょっとなぁ。
「あの、わたし一つお願いがあって……」
「なんだよ」
「なんでしょう」
「どうしたの?」
威嚇モードだった二人に穏やかな一人。
小鳥遊家御曹司たちの目が一気にわたしに向いた。
「あ、雨のせいで部屋暗くなってきたし、電気をつけてもらえたらな、と……」
夕方になりつつある時刻。
リビングはだいぶ暗くなってきたし、わたしの足がこんなだしで。
変にうろうろすると響くんに怒られるから……