御曹司たちの溺愛レベル上昇中
本当は自分でと思ったんだけど、
「なんだ、んなことかよ。待ってろ。……あれ、リモコンどこだ?」
そう。リモコンが見当たらなくて。
三人なら知ってるかなと思ったけど……
リビングを見渡し始める御曹司たち。
「……本当だ、ないや。雪兄さん知らない?」
「俺は見てないよ?」
テーブル、棚、床、ソファと探していくも見当たらず。
「リモコン……神隠しにあってるね」
「……神隠しって、んなことあるかよ。どっか見落としてたりするんじゃねぇの?例えば、こういうソファの溝とか……お、ビンゴ!」
「おお、颯すごい」
早速電気をつけてくれた颯くんに、雪さんは拍手を送った。
「野生の勘か……」
「うるせ、でもこれで小柳も安心して歩け──」
ドゴンッ──!!
不意に上から大きな音がした途端、今つけたはずの電気が消えた。
「……嘘だろ」
わたしたちしかいない別荘内での大きな音と消えた電気に、一瞬でリビングが静まった。