御曹司たちの溺愛レベル上昇中
「……で、颯くんも部屋に送るとか言いながら何してるんですか」
突然の声に、颯くんはすぐさま反応しベッドからおりた。
開いたドアからもれる明かりに、響くんが照らされる。
「っ響……お前いつの間に来やがった」
「ただ琉衣さんのことを送って戻るのかなぁと気になって。でも僕に文句言うわりには、自分も同じようなことしてるじゃん。やっぱり来てよかったです」
そして、沈黙がおとずれ静かに颯くんと響くんの視線が交差する中──
「皆……もう寝る感じ?」
そっと顔をのぞかせた雪さん。
……雪さんのおかげで、空気が軽くなったように感じる。
「雪兄さん……ええ、そうですね。仕方ないから今日は寝ましょうか。颯くんも。……琉衣さん、また明日ね」
「……じゃあな」
「お、おやすみなさい」
部屋をあとにする響くんと颯くん。
未だ顔をのぞかせる雪さんに、わたしは笑いかければ、入ってもいいのかゼスチャーをしてくるものだから、頷いた見せた。
「響と颯……なんか積極的でびっくりした」
暗闇にならないようにか、ドアを半開きにしたまま雪さんはそっとわたしの隣へ座った。