御曹司たちの溺愛レベル上昇中


「人気ものだ」

「いえっ……そんなことは」

「そんなことあるよ。俺からも人気ものだしね」


なんだろう。
今さっき響くんや颯くんに、動揺してた気持ちの波みたいなのが穏やかになっていく感じ……。


「俺も琉衣ちゃんのこと好きだけど、あの二人みたいに行動派ではないから……。それに、行動した果てに、俺は料理を禁じられたし」


あっ。魚……。ひきずってるんだね、雪さん。
どうしよう、思い出してしまった。


「ははっ料理の練習しましょ、今度」

「お」
「え?」


雪さんはわたしの顔をのぞくと、クスリと笑った。


「さっきのことがあってか、少しかたい表情してたから。笑ってくれて良かったなぁってさ。……うん、俺いいことした気分」


ひとりガッツポーズをする雪さんに、また顔がゆるんだ。


「……ありがとうございます。雪さんセラピー効果です」
「俺セラピー……いつでも無料だよ」
「ありがとうございますっ」


響くんの熱さに恋路の話とか、颯くんが怒っていた表情とかとか、頭に過ぎりつつも、


わたしは眠くなるまで雪さんセラピーをうけてから眠りについた。

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