御曹司たちの溺愛レベル上昇中

***



男の子のきりかえの良さ、というのか兄弟だから良いのか、昨日の今日で気まずいかも……なんて思ってた。

でも朝には、



「はよ」

「おはようございます」

「おはよう……」


あまり変わらない様子の響くんと颯くんがいて、少し安心した。

ギクシャク……を引きずる感じはあまりなくて。
それが逆に気になる気持ちもあって、様子を見ながら過ごしていたら……


"夏休みだし、別荘にいる間は休戦"ということらしく。

その言葉通り、一緒にゲームしたりプールに入ったり、時に言い合いも挟みながら、また数日が過ぎていった。


──わたしの足もだいぶよくなって。体重が乗せられるようにもなったから、途中から松葉杖は部屋に置いたまま、リハビリがてらに別荘内をうろうろしたりも。


後ろから見られてる視線を感じながら、だけど。

捻挫をしても、人生初の別荘生活も出来て今までとはひと味もふた味も違う夏休みを送れたんじゃないかなって思う。

ゆえに、学校が始まるのが憂鬱だけどもね。
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