御曹司たちの溺愛レベル上昇中

──学生には定番のお店でアイスを頼み、小休憩。店内は涼しすぎず、アイスを食べるには持って来い。
ただ、学生定番ってだけあって、同じ制服の子がいるとつい強張りかける。

でも……


「おいしっ、この味いけますね」


いつも大人びている響くんがアイス似合いすぎて……年相応の顔をしているからか、さっきから可愛いと思ってしまっている。


「琉衣ちゃん、食べないの?」
「た、食べます!」


なんて、カップを持とうとしたら横からきたスプーンに一口持っていかれた。


「あっ」
「隙あり、ですよ。うん、こっちもおいしいっ」
「響から一口とられた分を、俺があげるよ。はい」


大きめの一口を雪さんは笑顔で差し出すも、響くんにその腕をつかまれリターンさせられ、そのままアイスは雪さんのお口へ。


「んんっ」


雪さんは抗議の眼差しを向けるも、響くんは知らん顔でアイスを食べ進める。


「ん、そう言えば、今日文化祭話あったでしょう?二人のクラスは何やるんですか?」

「わたしたちは、お化け屋敷」
「俺たちはたこ焼き屋さん。響は?」

「……言わない」


『え?』
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