御曹司たちの溺愛レベル上昇中
話をふってきた本人が言いたがらないことに、わたしと雪さんは顔を見合わせる。
「えっと、ちなみにどういう系、とかは……?」
控えめに聞いてみると、響くんはボソッと答えてくれた。
"喫茶店"と。
なにも言いたくない要素は感じないんだけどなぁ。
「喫茶店……なるほど」
「え?雪さん何か分かるんですか?」
意味が分かったように頷く雪さんは、響くんがためらったであろう言葉を口にする。
「喫茶店は喫茶店でも、執事喫茶なんでしょ」
ピクリ、響くんの肩が跳ねる。
でも、執事喫茶なんて……多数決したら負けそうなのに。意外。
「うちのクラス、割と顔だけはいい奴いて……それで女子がふざけて……何故か通ってしまったんですよ。僕は反対に一票いれたのにっ」
なんというか、すごく嫌そう……。
「それに女子は裏方だけで、ほとんど男子任せなんですよ?はぁ……嫌だ本当に。休もうかな」
本人はこんな様子だけど、喫茶店人気出そうだよね。響くんモテるって聞いてたし。
「俺行こうかな」
「冷やかしはやめてね」
「お兄ちゃんだから、売上に貢献しに?」
「……いいってそんなの」
「琉衣ちゃんを連れて」
「だから……え?」
え?
「そうか……普段とは違うところを見てもらえるってことは利点かも。サービスしないと」
なんかわたしも行く前提になってる。
だけど、いいかな。ちょっと気になるもんね。