御曹司たちの溺愛レベル上昇中
──途中、ニヤニヤとした颯くんとも合流し、執事喫茶と書かれた看板の前に。
「よーし、響の姿拝みに行こうぜ」
「颯、絶対冷やかしたりしたらだめだよ?」
「分かってるって」
本当かな、なんて雪さんは心配そう。
それをよそに、颯くんは教室の扉をあけた。
「げっ。……いらっしゃいませ!琉衣さんっ。席用意してますよ」
「え?あ、ありがとう?」
颯くんを見た瞬間、凄い顔をした響くんだったけどすぐに切り替え、わたしを席へと案内してくれる。
「お前は小柳しか見えてないのか!?」
「響らしいけど。俺たちも行こう」
四人席に、わたしの隣には雪さんが向かいに颯くんが座った。
「何食べたい?パンケーキオススメですよ」
「俺オムライス」
「俺サンドイッチ」
「わたしはパンケーキで」
全然オススメを検討しない二人を睨む響くんについ苦笑いしちゃう。
「響効果か?女子だらけじゃんか」
執事って響きだと男子よりは女子が集まるよね。でも響くん効果もあるんだろうな。
「雪兄んとこのたこ焼き屋はどうなんだ?人気?」
「うん、なかなか。今もっとすごいと思う」
……少しの間、お化け屋敷のことやたこ焼き屋の話をしていると、
「お待たせ」
響くんが料理を運んできてくれた。