御曹司たちの溺愛レベル上昇中
後ろから雪さんと一緒に覗くと……
"響くんに決めました"
"違う俺だ!"
響くんと颯くんが自分で送ったものがすでに既読状態になっていて。
「え、待っ……!?」
スマホに手を伸ばすも、ハートのスタンプが次々に送られてきた。……ちなみにお父様もお母様からも。
「ちょっと二人とも待って!わたしちゃんと返──」
「俺も送る。スマホ貸して」
「いやダメだろ!!……響お前もう打つなよ!」
わたしのスマホの取り合いになってる。というか、わたしが返さないと!
雪さんに渡りかけたスマホを横から取り、わたしは三人の背中を押す。
「返信するので、お外で待機お願いします!」
廊下へ出てもらい、不満げな御曹司を見たままカーテンを閉めた。
──落ち着きたいと思っていたのに、全然落ち着けないっ!
「えー……あ、でも今のうちに親と仲良くしてもらえば、将来的にいいのか。分かりました。大人しくしてます」
「あー確かに?なら今日は仕方ねぇ」
「俺も分かった」
……やけに素直なのも気になるけど、今は礼儀として返事を……とスマホとにらめっこが始まり、文章に失礼がないのを見て送った。
またハートが返ってきたけど。