御曹司たちの溺愛レベル上昇中
▶▷一区切り、からの
半年──もう半年が、このシェアハウスに来て経った。
ということは、この日を迎えるわけで。
……そう、アパートの取り壊しの日が。
村田さんに立ちあいをしたいと前もって伝えていたわたしは、アパートの前に立っている。
もちろん、取り壊すためいつもみたいには近寄れないけれど。
業者の人が話してるところから、ショベルカーに乗り込むところを目で追って、
最後のありがとうを伝える。
その後の、崩されるシーンを見たくないと思いながらも、わたしは見届けた──
その場にしゃがんだり立ったりを繰り返しながら、取り壊されるアパートを見て、
深い息をついてから、帰ろうと踵を返す。
「……え、なんで?」
すると、後ろには三人の御曹司が揃っていた。
「なんで、ってお前が……その、そう!泣かないようにだな……」
「寂しくないよう一緒に帰りましょ」
「俺……手繋いで帰りたいな」
また、村田さんが連絡してくれたんだろう。
わたしが悲しくならないように。
「うんっ帰ろ!」
三人が来てくれたおかげで、なんとか泣かずにいられそう。