御曹司たちの溺愛レベル上昇中
満足気に小鳥遊くんが撮った写真を確認するため、視線を落とせば……
「はっ!?なんだこれ!」
「……え、何?」
そんな驚くことあった?
横から覗こうとすると、小鳥遊くんはわたしの方へ携帯を傾けてくれた。
「ん?……なにこれ、なんか黒い縦線と……」
小鳥遊くんの頭から指二本が出てる。
「小鳥遊く──」
「きょー……お前だな、お前しかいない!それに黒いの雪兄!ぶれてるし!髪だけだし!怖いっつの」
さりげなく写りに来たのか、響くんは悪びれる様子はなく頭の後ろで腕を組んでいて。
雪さんはと言うと、無心でクッキーを食べていた。
「……お前らぁ」
携帯を握りしめる小鳥遊くんに、響くんはソファに座りクッキーを手に取ると、視線は小鳥遊くんに向いた。
「颯くん、琉衣さんとツーショットだと思ったでしょ?……させるわけないじゃん。ね、雪兄さん」
「……俺も写りたかった。ちゃんと」
「村田さんに送るなら、仲良くやってますってわかるようにしなきゃでしょ?今の、僕たちにも送ってね颯くん」
涼しい顔で響くんもまたクッキーを食べると、
ぐぬぬ、と言い返すに言い返せない様子の小鳥遊くん。
「……え、っと……食べよっか」