御曹司たちの溺愛レベル上昇中
お、重い──
放課後、小鳥遊くんの言いかけたことは何か考えながら買い物をしたら遅くなってしまった。
その上、わたしの特技が発揮される催しまであったから……って、
あれ?
少し遠くに見えた同じ制服の男子生徒。
見覚えのある茶髪……響くんだ。
思わず荷物を持ちながら、手を上げそうになったけど、ここでしたらダメだ。
少しずつ縮まっていく距離に、楽しげに話していた響くんもわたしに気付く。
目が合ってしまった……。
でも、素通り。素通り。
知り合いじゃないふりをして、わたしは響くんと友達の横を通り過ぎた。
「……はぁ」
角を曲がるまで体が強張っちゃったけど、
あれで大丈夫だったはずだから、よしとしよう。
あと少し頑張ろうと買い物袋を持ち直した時、片手がふわっと軽くなった。
「え?響くっ……え?何で?」
「随分と重そうだったので手伝いに。ほら、行きましょ。外に立ってて見られるとあれでしょう」
重い方を手に持って、数歩先を行く響くんを追いかける。
「でも良かったの?話してたのに」
「構いませんよ。いつでも話せますし。優先的に琉衣さんの方だと思って」
「そ、そう?ありがとう」
「……にしてもやたら重くないですか?」