バツイチナースですが、私を嫌っていた救急医がなぜか溺愛してきます



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四月を迎えると同時に、香耶は青葉大学病院に勤め始めた。
長野の病院で外来看護師として働いた経験はあったが、たかが一年程度のものだ。
まるっきりの新人ではないが、先輩看護師について回って仕事を覚えることから始めた。

五月に入って、本格的にひとり立ちして小児科の入院病棟に配属が決まった。
それ以来、香耶は毎日慌しく過ごしている。

三交代だから、まず日勤なら、朝八時前にはナースセンターに出勤する。
それからその日のスケジュールを頭に入れて、九時前からは患者さんに朝の挨拶をしながらバイタルサインの測定をする。
術後の患者さんに処置をしたり、ベッド周りのそうじをしたりしてお昼まではあっという間だ。

青葉大学病院には、香耶の看護学部での同期も何人か勤めていた。
中には香耶が結婚したことを知っている人もいて、不思議そうな顔をする。
どうやら、太田ヘルスケアホールディングスの跡継ぎに嫁いだはずなのにと陰で噂されているようだ。



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