バツイチナースですが、私を嫌っていた救急医がなぜか溺愛してきます
「俺は君にキスしたり、抱きしめたいと思っている」
「拓翔さん」
「それは、君のすべてが愛おしいからだ」
拓翔がそっと香耶の髪に指を絡めながらつぶやいた。
ふたりは寄り添ったまま、横たわっている。
「あなたと離れている間、とても寂しかった」
拓翔の手がいたわるように香耶の頭をなでる。
「君が前に傷ついたことがあるのは、なんとなく感じている」
拓翔の手が香耶の頬から首筋をなぞると、クイっと上を向かされて額にキスをひとつ落とされた。
「ごめんなさい。いつだったか、拒んでしまって」
お互いに好きだとわかっていても、言葉だけでは足りない。
やわらかなキスを交わしたり、肌の温もりを伝えあうのも大切なことだ。
「心ではあなたが大好きだってわかっているのに、どうしても体がついていかなかくて」
拓翔に知られる前に、香耶はすべてを打ち明けようと決めていた。
「家のための結婚だったけど、夫になった人にはずっと前から恋人がいたの」