生徒会長に拾われて同居することになりました
「えっそうなの!?」


初耳だ。


甘いもの好きじゃないとか人生の八割くらい損してるよ、って言おうと思ったのをぐっと堪えた。

嫌いなものは嫌いだからね。


「俺もだし、兄ちゃんもそんなに好きじゃないんだよ。だから困ってたとこ」


この家には二人しかいない。


そのどちらも甘いものが好きじゃないのにこれだけあるって、どういう状況!?


「じゃあなんであるの?」


私はいちごのショートケーキがのった皿を持ちながら聞いた。


「父さんが送ってくんの。父さんだけ甘いもの大好きでさ。いらないっつってんのに」


へえ。


そんなに好きなら甘いもの苦手な息子にあげるんじゃなくて自分で食べれば?とは思うけど。

なにか事情でも?


まあいいか。そんなに深く考えることでもない。



「……ってことはこれ全部食べていいってこと!?」


そんな都合のいいことあるんだろうか。


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