ミーコの願い事 始まりの章 「ペンタスとヒトデ」
ねえ茜知っている? この世の中には不思議なことが沢山あるみたい。
あの日あなたに会い。あなたがその名前を使わなかったら、子供の頃の出会いを思い出せなかったかも知れない。
人は偶然だと言うかも知れないけど。でも私達が知る夢のようなおとぎ話も、案外本当のことだったのかもしれない。
その場を離れようとする私に、蘭は椅子からスッと立ち上がると慌てるように声をかけてきた。
「京子さん。ありがとうございます。でもどうしてそう思ってくれたのですか?」
「それがね、茜の名前がね」
言葉を待つ不安げな表情に、明確な理由を話せずにいた。
こんな状態で大丈夫かしら? 自分よがりになって蘭を不安にしてしまわないだろうか?
みんながの視線に戸惑う私だったが、茜の言葉を思い出していた。
「なれますよ京子さんなら、人を幸福にする花のように。だって親切で無邪気で清らかな心を持った、名前のとおりの人ですよ」
あの時の言葉に勇気づけられると、飾らない心の中の言葉を話していた。
「だって、ペンタスが願い事を叶えてくれる話。本当みたいだから……ね」
言葉の最後で少し恥ずかしさを感じると、人差し指を顔の前に持って行きポーズを取って誤魔化していた。
そんな状況に蘭と先生は目を合わせ、お互い眉を上げている。
守君は笑いながら、こう答えていた。
「どうしたんですか? 年甲斐もなく、冗談は顔だけにして下さいよ」
私はデリカシーの無い言葉に腹を立て、急いで守君をたたいていた。
あの日あなたに会い。あなたがその名前を使わなかったら、子供の頃の出会いを思い出せなかったかも知れない。
人は偶然だと言うかも知れないけど。でも私達が知る夢のようなおとぎ話も、案外本当のことだったのかもしれない。
その場を離れようとする私に、蘭は椅子からスッと立ち上がると慌てるように声をかけてきた。
「京子さん。ありがとうございます。でもどうしてそう思ってくれたのですか?」
「それがね、茜の名前がね」
言葉を待つ不安げな表情に、明確な理由を話せずにいた。
こんな状態で大丈夫かしら? 自分よがりになって蘭を不安にしてしまわないだろうか?
みんながの視線に戸惑う私だったが、茜の言葉を思い出していた。
「なれますよ京子さんなら、人を幸福にする花のように。だって親切で無邪気で清らかな心を持った、名前のとおりの人ですよ」
あの時の言葉に勇気づけられると、飾らない心の中の言葉を話していた。
「だって、ペンタスが願い事を叶えてくれる話。本当みたいだから……ね」
言葉の最後で少し恥ずかしさを感じると、人差し指を顔の前に持って行きポーズを取って誤魔化していた。
そんな状況に蘭と先生は目を合わせ、お互い眉を上げている。
守君は笑いながら、こう答えていた。
「どうしたんですか? 年甲斐もなく、冗談は顔だけにして下さいよ」
私はデリカシーの無い言葉に腹を立て、急いで守君をたたいていた。