最強術者であることを隠して自由に生きようと思っていましたが現最強術者の花嫁になり溺愛されるようになりました

ずっと籠っていた時から思っていた。
死にたいとか消えたいとかそういうのでは無い。
ただ…生きている意味がこれ以上あるのか？
と。
父からも愛されなくてあの家で空気のような生活をしているのなら生きる意味なんてあるのか。
これ以上あの家にいることが何になるの？

もう…何も考えたくない。

ねえ、凛花もういいよね。何も考えなくて。
…あれ。どうして凛花がいるの。
どうしてここにいるってことが分かったの。

どうして泣きそうな顔をしているの。
今にでも涙が溢れそうな表情を見て、私は凛花の頬に触る。とても温かった。
やがて凛花は舞花は優しく抱きしめた。
離さないように強く。

｢…もういいのです。舞花様。｣
真っ白な世界で響いた、凛花の優しい声。
｢あんなお方など捨てていいのです。
恩を仇で返さず、楓様と舞花様を捨て駆け落ちして…、楓様が亡くなった後に、愚かな本性を隠さずにこの時を待っていたかのように妾と妾の子を連れてきて、
ましては舞花様をこんなにボロボロにしてきたこの世で最も最低なお方などもう…｣
次々と批判していく言葉。
主人である父を批判する凛花に少し動揺していた。
がしかし、無意識に凛花の方に耳を傾けて
凛花の言葉を聞く。
｢見ている人は他にもおります。無論私もです。
ですから舞花様は舞花様らしく生きてください。｣
舞花様(私)は舞花様(私)らしく生きていく。
その優しい言葉が舞花の心にじわじわと染み渡っていく。
｢これからは、舞花様のやりたいことをやっていきましょう。私が全力で支えますから。
だから…っどうか命を落とすだけはやめて。｣
最後には、切実な願いだった。
どこか悲しげな声で。舞花にそう言った。
その言葉も舞花の心に染み渡っていく。

ずっと願っていた、愛されること。
いつしか愛してほしかった。
家族として認めてほしかった。
だけどそれはただ執着しているだけだったのだった。

愛されないから、認められないからと絶望して
こんな所に来て生きる意味が分からないと考えているなんて…。
反吐が出そうだった。