メガネを外したその先に
「ごめん」


桃に次いで、早紀が頭を下げた。

頭を下げる二人を見つめながら、みんな今日という日に全てを清算しておきたいのだとどこか冷静に思う。


今更、怒りも悲しみもない。


「もう、いいよ」


決して、許したわけではない。

でも、それ以外に返す言葉が見つからなかった。


私の言葉にホッとした表情を浮かべた二人を見て、これで良かったのだと思った。
< 131 / 213 >

この作品をシェア

pagetop