メガネを外したその先に
二人と別れて、龍弥先生の元へ向かう。

その足取りは、緊張で少し震えていた。


泣かずに、上手く気持ちを伝えられるだろうか。

人生で初めての自分からの告白を前にして、自分に告白してくれた人たちの気持ちを初めて知った。


「大橋先生、いますか?」


職員室内に響いた私の声に気付いた先生が、こちらを振り向く。

私の元まで歩いてきてくれた先生に、隣の空き教室を指差して二人の時間を確保してもらう。


椅子ではなく、机に腰掛けて私と目線を合わせた先生に鼻の奥がツンとした。
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